科学と化学と推しを語る場所

化学系の院卒研究職→転職してメーカーDXの企画。大学からオタクになり、仕事に打ち込む時期を経て再びオタクの道に戻る。

読み手の心にすっと入る言葉を選ぶ人たちってすごい

子供の頃はコミュニケーションを取るのが苦手だった。

相手の顔色や空気に合わせ、適切な反応を取らないといけないと思っていたから。

 

そう思い始めた理由はよくわからない。

ただ、物心ついたときから引っ込み思案だった。

もしかしたら生まれつきコミュニケーションが苦手だったのかもしれない。

 

いつしか相手に合わせて話を展開することが当たり前になっていた。

自分の話したいことを話さず、相手が求めている回答をする。

自分の話した一つ一つの言葉に対する相手の表情、返す言葉を注意深く見る。

 

そして話が終わったあとに相手の反応を頭の中で思い返す。

頭で思い返すときはいつもネガティブなことばかり

「ちょっと表情が曇っていたけど余計なことを言ったかな」「自分が話した後に気まずくなったのでは?」

そう思いながら、勝手に怯えていた。

 

人と話すほど感じる言葉選びの難しさ

そんな自分も大学生、社会人になり、まともに人と話せるようになってきた。

自分が発する一つ一つの言葉を相手は聞いていない、そういうことに気づいたからかもしれない。

サークルや飲み会、いろんな場を通して自意識過剰な妄想が溶けていったのかもしれない。

 

そしてまともに人と話せるようになって思ったのがコミュニケーションの大変さ。

相手の話に対して瞬発的に返す、みんなの会話の中でタイミングよく話に入っていく。

あとは笑い、関西では本当に笑いが求められることを知った。

 

とりわけ大変なのが自分が発する言葉の選び方。

自分の考えを最も適切に表現している言葉を選び、伝わるように話す。

相手が知っている単語であることはもちろん、自分と相手の頭の中に同じ意味が浮かぶ言葉を使わないといけない。

そういった言葉選びの難しさを感じている。

 

読み手や聞き手に伝わる言葉選びをしたい

言葉を選ぶのが特に難しいのは自分の気持ちを伝えるとき。

良かった、悲しい、嬉しい、感動したという感情が絡むとき、自分と相手の価値観が違うことに気をつけないといけない。

 

自分の好きなものに出会ったときの高揚感、推しの考えに触れたときの胸の高鳴り、可愛いキャラに出会ったときの尊い気持ち、なかなかこのあたりの気持ちを伝えるのは難しい。

だからこそ、映像やラジオ、本で読み手や聞き手の心を震わせることができる人はすごいと思う。

特に本、活字だけで自分の気持ちを届けられる人は本当にすごい。

 

社会人になり、自分は報告書や宣伝の原稿など仕事のための文章ばかり作成していた。

そうすると、論理的な文章やコンプライアンス的に問題がない文章を作成する力はついてきた。

 

しかし、読み手の心を動かす文章や言葉の引き出しが増えている感じはしなかった。

あと、人と会ったときに推しの良さを語りながら、自分の語彙力が不足していることも感じた。

 

だからこそ自分は言葉の引き出しを増やしたい。

なぜ、と言われたらよくわからない。

ただ、普段使っている日本語について、もう少し幅を広げたいという気持ちはある。

もっと沢山の言葉に触れていきたい。